「さくら」編成考


1998年12月以来、東京−鳥栖間で「はやぶさ」との併結運転が実施されている「さくら」。TOMIXからも14系15形「さくら」セットが発売されていますが、これは併結運転開始直後の鳥栖−長崎間のフル編成を再現したもの(2002年3月でオハネ15が1両減車されて現在は5両編成)。編成両端の緩急車が両方ともスハネフ15ですが、実際にこの編成になることは珍しいです。
実際には、「さくら」の運用を受け持つ長崎運輸センターには、スハネフ14形が6両とスハネフ15形が4両配置されています。この中から編成両端の車両を決めるのですが、私が見たことのある中で最も多いのは、片方スハネフ14でもう片方がスハネフ15という編成。これを再現したくてセットの購入は見送りました(白帯の15形が個人的に嫌いという理由もありますが)。ここでは、高校の数学で学習する「順列」の考え方に従い、確率論の観点から編成を考えていくことにします。

「順列」 n個の異なるものからr個を取り出して順番に並べる並べ方は nPr通り

     nPr =  n!  = n(n-1)(n-2)・・・{n-(r-2)}{n-(r-1)}
          (n-r)!

     ※n! = n(n-1)(n-2)・ ・・・ ・2・1

これに従えば、緩急車の総計10両の中から「7号車」、「11号車」の順に2両を取り出して組成する場合の数は、10P2 = 90通りあることになります。

さて、本題・・・

(1)両端がスハネフ15になる場合の数は、4両の中から7号車、11号車の順に取り出して組成するわけですから、4P2 = 12通りで、結局この確率は12/90=2/15となり、かなりの低確率であることがわかります。

(2)両端がスハネフ14になる場合の数は、同様に考えて6両の中から7号車、11号車の順に取り出して組成するわけですから、6P2 = 30通りで、結局この確率は30/90=5/15(=1/3)となります。

(3−1)7号車がスハネフ15、11号車がスハネフ14になる場合の数は、4両の中から7号車、6両の中から11号車になる車両を取り出して組成するわけですから、4P1 × 6P1= 24通りで、結局この確率は24/90=4/15となります。

(3−2)7号車がスハネフ14、11号車がスハネフ15になる場合の数は、6両の中から7号車、4両の中から11号車になる車両を取り出して組成するわけですから、6P1 × 4P1= 24通りで、(3−1)と同じくこの確率は24/90=4/15となります。

(3)結局、(3−1)と(3−2)をトータルすると、片方スハネフ14で片方スハネフ15になる確率は、4/15+4/15=8/15で半分強ということになり、私自身が最も目にすることが多いということが実証された形になります(笑)。

しかし「絶対にこうなるべきだ」ということはなく、例えばセットに加えて単品のスハネフ14を別途購入して、気分によって車両を差し替えるというのも立派な手法です。(しかし、スハネフ14のテールマークのシールには「富士」が入っていないなあ・・・)

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